みなさん、タルコフ生活いかがお過ごしでしょうか?
今回はEscape from Tarkovでの「音」についてお話したいと思います。
みなさんもご存知の通り、タルコフはリアルを追求したゲームです。
視点を動かすだけで、衣擦れの音がしたり、足元のガラスを靴で踏みにじる音がしたり、音に関するリアリティもかなり追求されていますが、
壁越しの足音や銃声の「距離感」に対する違和感が残るなど、タルコフのサウンドエンジンはまだまだ課題が残っているようです。
足音やScavの喋り超えを聞こえやすくすることは、単純に生存率を上げることになります。
今回は足音や声を聞きやすくする為の設定や機材について紹介していきたいと思います。
ヘッドセットの選び方
まず最初にお話しておきたいことは、ヘッドセットの選び方です。
以前に以下でも記事にした内容です。
【注意】PUBGの為に「7.1バーチャルサラウンドサウンド」ヘッドホンを買おうとしている人へ
「7.1 バーチャルサラウンドサウンド」はあくまでもバーチャルです。
これはどういうことかと言うと、ヘッドセットや、オーディオアンプに内蔵されているソフトや、ハードウェアなどで無理やり再現された「7.1」だということです。本来の「7.1 サラウンドサウンド」は以下の画像のように、7個のスピーカーと1個のサブウーファーを、人の周りに物理的に設置した時の音の体験の事です。
これをヘッドフォンでバーチャルに再現しているのが「7.1 バーチャルサラウンドサウンド」です。
ところが。ここが肝心なのですが、そもそも7.1 サラウンドサウンドに対応したゲームでないと、その効果は発揮できませんし、
ソフトが頑張ってシミュレートした「7.1 バーチャルサラウンドサウンド」なので、正しいかの判断はプレーヤー任せになります。
ヘッドフォンには、結局音の出る箇所は2箇所しか無いので、後ろや前で音は出ません。出ている風にシミュレートしているので、それを聞き分けられるかはその人次第です。
7.1サラウンドサウンドに対応していないゲームをプレイしている際に「7.1 バーチャルサラウンドサウンド」をオンにしてしまうと、逆にゲーム開発者の意図しないサウンドになってしまう可能性が高いです。ここらへんはもっと開発者やパブリッシャーが説明してくれれば良いのですが、結局ダイエットと一緒で、個人差があります。としか言えないからでしょうか?
ちなみにタルコフでは7.1は対応していません。
Forumでもディスカッションされています。
Steam sound and 5.1 or 7.1 work?
ヘッドセットの選び方:結論
私個人のヘッドセットの選び方は
- 音がいいと感じる
- つけ心地が良く長時間使っていても疲れない
- 自分の苦手な周波数(音がキンキン、モゴモゴ)が強調されすぎていない
がベストかなと思います。「7.1 バーチャルサラウンドサウンド」に対応しているか、していないかだけでは選ばないですね。
とは言え、最近のヘッドセットの多くは「7.1 バーチャルサラウンドサウンド」に対応されているものが多いので、あまり気にしなくても良いかも。
とりあえず、ゲーミングデバイスを試せるお店へ行って、一度ヘッドホンをつけたり、実物で確認することをオススメします。
その上で、「7.1 バーチャルサラウンドサウンド」を試したい、映画とかで使ってみたいなどの判断材料を組み合わせて選択すれば良いでしょう。
Escape from Tarkovの音について
次にEscape from Tarkovの音について話していきましょう。
初期の頃より大分良くなったとは言え、Escape from Tarkovの音にはまだまだ課題が残っていますね。
現時点ではSteam audioを利用し、音の改善を行っているようです。
Steam audioとは
現在Escape from Tarkovは、Steam audioを導入し全体的な音のクオリティを上げようとしています。
Steam audioはSteamで有名なValve社が提供しているSDK(Software Development Kit)です。
音の伝播をリアルタイムにシミュレートする機能や、物理法則をベースとした全球サラウンドサウンドなど、より良い音を、より簡単に開発できるように提供されているライブラリです。
バイノーラルサウンドの設定をオンに
タルコフはこちらのSteam audioを採用しており、Steam audioの一部「バイノーラルサウンド」の実装が進んでいます。
簡単にバイノーラルを説明すると、人の頭部で発生する音響効果をシミュレートして録音した音を利用して臨場感を再現する記述です。
(かなり端折っているので、気になる人は調べてね。)
タルコフ内での設定はシンプルです。
Sound設定で「Binaural sound」にチェックを入れてオンにしておいてください。
検証
Factoryにて、PvEモード、敵の数Hordeにして、足音の位置(違う階、方向)の聞き取りやすさを比べてみました。
これも個人の感想になるので、本当に参考になるか分かりませんが、気になる方は試してしてみてください。
ヘッドフォンから出てる音を聞き分けているので、Before Afterの動画とかも撮れないんですよね。
検証に利用した機材
私が保有する機材(ヘッドセットとオーディオアンプ)を組み合わせながら、一番足音が聞きやすかった組み合わせを紹介したいと思います。
またタルコフ内での設定についても触れますので、そちらも確認いただければと思います。
今回の検証で利用した機材は以下となります。
検証結果
ヘッドセット対決
ヘッドセットに関しては、HyperX Cloud Orbit Sが頭一つ飛び抜けて良かったためHyperX Cloud Orbit Sについての結果を記載します。
他のヘッドセットは、悪くは無いのですが、高音が強かったりと癖があり、耳への負担が気になりました。
基本的にタルコフの音は銃声でも足音でも高音が強い傾向にあるため、その部分を強調してしまうデバイスは合わない気がします。
Sennheiser GSX100 + HyperX Cloud Orbit S
タルコフのバイノーラルサウンドとの相性が悪いのでしょうか?高音がめちゃくちゃ強調され他の音はカットされている印象です。
高音以外はこもったような音で、違和感がすごいですね。あと距離感がわかりにくいです。方向は判断できるのですが近くに聞こえてしまいますね。
HyperX Cloud Orbit Sと組み合わせると多少は音に丸みがかかりますが・・・
オススメはできないです。これはNG。。。
Astro MixAmp Pro TR + HyperX Cloud Orbit S
HyperX Cloud Orbit SのAuxモードとAstro MixAmpのイコライザーを利用して、足音を強調させるこの組み合わせを試してみました。
そもそもHyperX Cloud Orbit Sがかなり優秀で、音がまろやかかつ音による位置の特定がしやすい。
HyperX Cloud Orbit Sのポテンシャル + Astro MixAmpの音質とイコライザーで足りない部分を補うって感じでしょうか?
HyperX Cloud Orbit Sのアナログ端子を、Astro MixAmp Pro TRのヘッドフォンジャックに指して検証しています。
ちなみにケーブルは以下のものを使用しました。
結論としては、全然有り!だと思います。
まだ自分で最高のEQの設定を見つけられたわけではないですが、デフォルトプリセットのBalancedが良く、名前の通りバランスの取れた音という感じでした。
自分にあった設定に変えられるという点も評価のポイントです。人それぞれ聞こえは違うので、調整できるというのは案外最適解なのかもしれない。
Astro MixAmp Pro TRのイコライザプリセットとして、皆大好きBeastmode 2.0も試しました。
ゲームによって、足音の周波数が違うため、Tarkovで効果あるか気になったので試してみました。
個人的にはそんなに大差ないと感じましたね。こればっかりは個人差があるので、ぜひ皆さんご自分で試してください。
そのためにプリセットのファイルも置いておきますので、使ってみてください。優しいでしょ!
Beastmode 2.0
HyperX Cloud Orbit S 単体
HyperX Cloud Orbit S単体利用。
単体だけでもまったく問題なく、足音の判別、位置の判別、距離の判別が出来ると感じました。
このヘッドセットは、ほかのHyperX Cloudシリーズと違って音が柔らかい、高音と低音のバランスが無茶苦茶良くて、音の違和感が異常に少ないとあらためて感じました。音の解像度も高く、細かな音も再現されているような感覚になります。
ちなみにこのヘッドセット用のアプリには簡易EQがついていて、それぞれ確認してみました。
簡易すぎて
Sound Profiles | 結果 | 備考 |
---|---|---|
Flat | ◎ | 一番足音が良く聞こえる |
Default | ◎ | |
Foot Steps | ◎ | 音抜け、高音がはっきり |
Ballistics | ◯ | |
Music | △ | 高音がカットされ始める |
Racing | △ | |
RPG | △ | |
Warm | △ | 全体をモワッとさせた音に |
あまりSound Profileによる大きな差が感じ取れなかったですね。
どの設定でも足音はしっかり聞こえますし、方角も判別しやすかったです。設定が下に行けば行くほど高音がカットされ
低音が強調されていく感じですね。Flatが一番聞き取りやすかったです。
個人的な感想としては、HyperX Cloud Orbit Sだけでよくね?って思いましたね。
音がマイルドすぎて周波数にバイアスがかかっている気もしますが、概ね特に問題なく音の聞き分けも出来ました。
ちなみにHyperX Cloud OrbitとHyperX Cloud Orbit Sとの違いはヘッドトラッキング機能がついているかついていないかです。
頭の傾き度によって音の位置を調整してくれたり、傾いた時に任意のキー入力をさせることも出来ます。
タルコフではQとEでリーンすると思いますが、頭を左に傾けた時にQを入力されることができるので、リアルにリーンすると、ゲーム内でもリーンできると言った使い方もできます。やってみましたけど、あまりオススメはしないですw
ヘッドトラッキングや簡易EQはAuxモードでは使用できないのでご注意ください。USBモードの時のみ有効です。
結論
HyperX Cloud Orbit Sをベースに、必要なオーディオアンプを使うのが良いのでは?と思いました。
音のバランス、位置、距離、全てが丁度良く、全てを求めているレベルで提供してくれています。
友人が言うにはDiscordで会話している際のマイクの音質も良いらしく、かなりオススメできる製品です。
ただEQだけの為にオーディオアンプを買うのは持ったないと思います。
EQだけを試したい人はフリーで高性能なEQ「Equalizer APO」というのもあります。
私は使ったことないですが、これを使ってタルコフをプレイしている人もいます。
手っ取り早くEQを試すなら、Astro MixAmp Pro TRの購入をオススメしますが、色々調べながらもっと詳細にEQをの調整をしたい人であれば「Equalizer APO」で良いでしょう。
音に関しては、結局自分の耳を信じて、設定を変えてみるしか方法はないと思っています。
マウスのセンシティビティの設定もしかり、音もその人に合った設定を見つけるのがベストです。
耳の良さ、音の聞き分けなんかは、リアルの生活をしていても人によってそれぞれですよね。
実際、街中に設定されている「モスキート音」が聞こえないという方も多いと思いますが、年齢によっても聞こえ方は変わってきます。
皆さんにも自分にあったサウンドデバイスが見つかりますように。