Steamの生成AI表記とは?申告が要るものと書き方、ストアページでの見え方

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Steamでゲームを出す開発者は、審査に出す前のコンテンツアンケートで、生成AIをどう使ったかを説明する必要がある。対象は、開発中にAIで作ってゲームに入れた絵や音などと、遊んでいる最中にAIがその場で作るものだ。AIの入った開発ツールで効率を上げたことについては、Valveが「このセクションの焦点ではない」と書いている。説明の多くは、ストアページの「AI生成コンテンツの開示」に載る。
いつ、どこで申告するか
Steamworksの資料によると、ストアページとゲームのビルドを審査に出す前に、コンテンツアンケートを終える必要がある。アンケートは「一般的なコンテンツ」「大人向けコンテンツ」「生成AIコンテンツ」の3つに分かれていて、審査に出す前にすべてに答える。Valveは、審査のときに回答をビルドやストアページの中身と照らし合わせる(Steamworksドキュメント)。
申告が要るもの
Valveは、ゲームでのAIの使い方を2つに分けている。
- 事前生成は、開発中にAIで作り、ゲームに入っていてプレイヤーが消費するものだ。資料は、アートワーク、サウンド、ストーリー、ローカリゼーションなどを挙げている。
- ライブ生成は、ゲームを動かしている最中にAIで作るものだ。

開発中にAIサービスを使った場合や、ゲームの一部にAIサービスを組み込んだ場合は、このセクションでその使い方を詳しく説明する。一方で、AIの入った開発ツールで効率を上げたことは、このセクションの焦点ではないと書かれている。
2024年1月10日(日本時間)の告知では、事前生成の例として、絵や音と並べてコードも挙げていた(Steamの告知)。いまの資料は例にコードを挙げず、ゲームに入ってプレイヤーが消費するコンテンツが焦点だと書いている。この書き換えは、2026年1月17日に海外メディアのGamingOnLinuxが報じた(GamingOnLinux)。
ゲーム中にAIが作る場合の条件
ライブ生成では、事前生成と同じルールに加えて、AIが違法なものを作らないためにどんな対策をしているかをアンケートに書く。
ライブ生成のAIを使う成人向け(アダルトオンリー)の性的なコンテンツについて、Valveは、現時点では公開することは望ましくないと判断したとしている。
外部のAIサービスにつなぎ、使うたびに費用がかかる場合は、開発者がプレイヤーに代わってサービスへのアクセスを管理し、Steamが対応する支払い方法で費用を回収する必要がある。資料は回収の方法として、本体価格に含める、ゲーム内の課金、定期購入、DLCを挙げている。
2024年1月の告知では、ライブ生成のAIを含むゲームで、プレイヤーがゲーム内のオーバーレイから違法なコンテンツを報告できる仕組みを始めるとも発表していた。
ストアページでの見え方
2024年1月の告知でValveは、プレイヤーもゲームでのAIの使い方を理解できるように、申告の多くをストアページに載せると説明していた。日本語のストアでは「AI生成コンテンツの開示」という見出しの下に、「開発者は、ゲームでのAI生成コンテンツの使用について次のように説明しています。」と表示され、開発者の書いた説明が続く。

申告したあとで変える場合
ビルドとストアページの公開が承認されたあとは、アンケートの一部の回答は、Steamサポートに連絡しないと編集できない。連絡では、ゲームの変更内容と、影響を受けるアンケートの項目を伝え、変更した部分にテスターがたどり着く手順も書く。
申告すれば何でも出せるわけではない
Valveは、アンケートで開示したかどうかにかかわらず、Steamの製品はコンテンツルールに従う必要があるとしている。開発者は、Steam配信契約で、ゲームに違法なものや権利を侵害するものを入れないこと、宣伝の素材とゲームの中身を一致させることをValveに約束している。発売前の審査では、AIで作ったものも、AIを使わずに作ったものと同じ方法で調べる。
日本の著作権の考え方
文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)の概要によると、AIで作った画像などを公開したり売ったりするとき、著作権の侵害になるかは、通常の著作権侵害と同じ基準で判断される。既存の作品との「類似性」と「依拠性」がどちらも認められ、例外の規定にも当たらなければ、侵害になる(文化庁)。
AIで作ったものが著作物に当たるかは、別の問題だ。人が指示を与えずに、または簡単な指示だけでAIが作ったものは、著作物に当たらないと考えられている。人が創作の道具としてAIを使ったと認められれば、著作物に当たり、AIを使った人が著作者になると考えられている。文化庁は2024年7月31日に「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」も公開している。
本で調べるなら
『インディーゲーム・サバイバルガイド』は、ゲームを完成させてから配信し、作り続けるまでに必要なことをまとめた本だ。配信の章で、税金や契約、法律に触れている。2021年11月の発売なので、Steamの生成AIの申告は載っていない。

一條貴彰 著、PLAYISM 監修。ゲームの完成から配信、開発の継続までに必要なことをまとめた本。2021年11月発売。
ゲームを配信するまでの実務をまとめた本です。
広告・アフィリエイトリンクを含みます『生成AIと著作権の論点』は、2025年8月に出た本で、生成AIの仕組みから、開発・学習の段階と、生成・利用の段階の著作権の論点までを扱っている。

福岡真之介 編著。生成AIの仕組みから、開発・学習段階と生成・利用段階の著作権の論点までを解説する本。2025年8月発売。
文化審議会の「考え方」などの公的資料をもとに解説しています。
広告・アフィリエイトリンクを含みます情報確認日:2026年11月6日(日本時間)。出典:Steamworksドキュメント「コンテンツアンケート」、Steamの告知「AI Content on Steam」、GamingOnLinux、文化庁「AIと著作権について」。画像:Steamworksドキュメント(アイキャッチ)、Steam(ストアページ)、FlameLitt(図)。



